「どこか…、行きたいとこあるか?」
クリスマスと年末年始の特別警戒期間の狭間に、ぽっかりと二日間の公休がとれた。
「年末だからどこへ行っても混んでるんだろうけど、ベタなところへ行ってみたい」
ベタって言っても、さすがに浦安方面の夢の国じゃないだろうな。
思えば学生時代にも行ったことがなかったな。
あのまま付き合ってれば一度ぐらいは行く機会もあったろうが…。
駅前でレンタカーを借り、加代子のマンションへ迎えに行き、高速に乗る。
既に帰省ラッシュも始まっているのか、程なく渋滞に巻き込まれた。
「すまんな」
「ううん。渋滞さえも楽しいわ、明也となら…」
加代子は、内容よりもそんな台詞を口にした自分に頬を染めた。
用賀から100キロ弱、2時間ほどして目的地に着いた。
地ビールの工房などもあるリゾート施設だ。
日帰りの温泉施設もあるそこは、若いカップルだけでなく家族連れや熟年夫婦なども多い。
「ベタといわれようと、笑われようと、明也とはこんなデートがしたかったの。嬉しい…」
「…ああ」
「一日遅れちゃったけど…、メリークリスマス」
「メリークリスマス…」
何年かぶりに二人で過ごす恋人たちの季節。
喧騒と溢れんばかりの光のトンネルの中、そっと唇を重ねた。----------
うっすらとなんとなく、明也と加代子さんにはベタにイルミネーションを見に行ってほしいと思っていたのですが、二人が行くのはご近所のイルミネーションなのか、それともミレナリオみたいな都会の大規模なイルミか、どっちもいまいちしっくりこないなと思っていたところへ、いいタイミングで、楽さんに(12月中に使っていた)このブログのテンプレに使われている写真について教えていただいたので、拙い妄想をしてみました。
明也、せっかくのデートをしょぼい描写でスマン。
加代子さんはキャラが全然違っててスマン。
そして、浦安鼠園に1度も行ったことがないのは私です。
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(追記)ネタバレ
明也と加代子さんが行ったのはこちら。
http://www.tokinosumika.com/
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