『9回』
14巻のうち、ページ数にして3/4ぐらいをこの回でやってしまうのね。
阿部モノローグは〈99〉から。
〈あいつはどんな状態なんだ 座って1球受けりゃあ全部わかんのに!〉は思ったりより高いトーンだった。三橋の表情が凛々しい。
今までほとんどカットされていた分、今回の滝井のうねうねもやはり唐突に感じる。
深刻なシーンではあるけど、モモカンが田島をベンチへ呼ぶコマのコミカルな動きがそのまま再現されていて嬉しい。
「もちろん三橋君と協力してね!」というモモカンの後ろの、阿部の「!」がその後の表情も含めて原作よりもちょっと大げさにわかりやすくなってる。
と、何度も止めたり戻したりしながら観ているうちに、ここら辺の巣山のアップで、ストーリーとは関係なく巣山がおしゃれ設定だということが思い浮かんでしまった私w
他のキャラの、マンガキャラとして見分けがつきやすいような長髪や色髪とは違って、黒髪坊主なのが現実の球児まんまだし、眉毛の整え方がいかにも球児風なんだよね。
他のキャラに比べて大人っぽく描かれているように感じるけど、一番等身大、現実の球児に近く描かれているのが彼なんじゃないかという気がしました。で、ストーリーに戻る。
和田の〈好きに打っていんスねー〉でにんまりベンチのサイン確認しようとして〈……ん?〉で瞬きを入れたところ。ほんの一瞬だけど、なんかすげー。そう動くよね。演出すげー。
三橋の球が乱れてから栄口のエラーまで、アニメならではのアングルと動き、声の演技とBGMで原作よりも緊迫感がすごい。
手の震えがリアルで、見ているこちらにも緊張が伝わってくる。
「ワンナウト――!」
…泣きました。
そして声優さんの演技パネェとここまで思ったの初めてかも。
(三橋が良すぎたのでその後の田島がちょっと残念に感じちゃった。叫びシーン以外はいいんだけどなあ。中の人頑張れ)
沖の捕球シーンもアニメならでは。
こんなシーンあったっけって原作見直したらちゃんとそのままあったけど、動きがつくってすごい。伝わる情報量が半端ねー。
倉田の打席で無意識に首を振る三橋。
この回ここまでほぼデフォルメなしできてるので、久しぶりのキョドリ顔。
投球モーションに入ってるのに1周回っちゃってて、ボーク取られないか心配になるww
サインと首振りのやり取りで配球について相談する田島と三橋。
ここでメインテーマがBGMに入って、1期からここまでの試合内容が走馬燈で流れるような錯覚にとらわれた。
ストライクが出たところで三橋が息をつくのと同時にこちらもホーッとため息( ´Д`)=3
ここでCM。濃いAパートだったなあ。
「……う 打たれた よ」のシーンの後、花井の「気合い入れんぞ!外出ろ!」の声に、ベンチから出るときに一瞬阿部の方を見てから帽子をかぶり直す三橋はいいアニメオリジナル。
字幕は今回も「義斗」のままでした。
西浦可愛さで、原作読んだときには美丞バッテリーが徐々に心を通わせていく様子とかほとんど目に入ってなかったけど(それどころか名前さえもおぼつかなかった)、前回や今回の演出で改めて気付かされました。
次に原作読むときにはもう少し違う感情で読めるのかも。
スタンド応援席、『スヤマ アッコ』のカンペやラッパ二人のやり取りもちゃんと入ってました。
田島の打球がフェアに入ってから、巣山の走塁までの動き、今回はもうこの言葉しか出てこないけど、マジすげー。
そしてやっぱり今回もかっこいい動きのシーンは巣山。
前にも書いたけど、セリフやモノローグでのシーンが少ない分、アニメ巣山はいい動きを与えられてるなあ。
スタッフの愛を感じる。
倉田が竹之内に駆け寄っていく後ろで、主審の動きが細けー。
倉田が正捕手として、どんどん各投手との息も合っていってるのに、これで最後だと思ってる決心が切ない。
花井、沖の打席の気合がすごい。
にしひろくんがんばれえっの三橋の口の大きさがすごいことになってる。
またもや声を張り上げる代永の演技もすごい
三橋と阿部のシーン。
ベンチのナインやスタンドの描写を省略して、なんかここだけ紗がかかったような二人だけのシーンになってた。
あと、泣きの演技にも圧倒。
阿部の声の演技は少ないけど、腕に力を2度込める動きがいい。
もっとたっぷりと見ていたかったけど、ここですぐにモモカンの非情な「はいそこまで!!」の声が掛かっちゃうのも原作通りw
ここでちょっとギャグっぽい三橋のベロベロも見たかったけど、シガポの蘊蓄とともにカットでしたw
感動シーンの余韻としては良かったのかな。
それにしてもこの声優陣の多さ。
ページ数こそいつもと同じ3枚だったけど数えてみたら43名でした。
そして、監督自ら絵コンテ・演出。
作画監督3人に、作画監督補佐9人、いつも作監やってるような錚々たる面子が並んでます。
第二原画まで含めて、いつも1枚に収まるクレジットが収まりきれずに2枚。
気合とか愛とか見えないものだけでなく、確実にいつもより多くの人の手がかかってるこの12回でした。
なんかすげーすげーすごいしか書いてない気がする。
次回最終回は15巻を発売日に買って先に読むべきか、アニメ先に観て週末に買うか迷うなあ。
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