01/22
Thu
2009
『革命』p49
当麻の眼鏡の加工が終わるまで、暇を持て余してか堂上は店内をうろうろしていた。郁も堂上も目はいいので、こんなことでもないと眼鏡屋には縁がない。珍しいのだろうと好きにさせて、郁も店内のソファに座って買ったばかりの眼鏡をかけたり外したりしながら鏡を見て楽しむ。
p50
それだけだ、と自分に言い聞かせながら郁はポケットをごそごそ探った。
「何してるんだ、お前」
怪訝な顔で訊く堂上に、郁は口籠もった。
「いや、あの……あたしも繋いでないほうの手、寒いので……」
「だから何だ」
「眼鏡、空いてるポケットに入れ替えようと思って。あたしのほう、手を繋いでもらってる側のポケットが空くから。レンズに手の脂とかついちゃうのイヤだし、これだけ暗かったら監視にも何やってるか分からないでしょ? 一応あちこち立ってるだけ、みたいな感じだし」
説明しながら眼鏡の入れ替えが終わる。
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